「第74回本科卒業証書授与式および第64回専攻科修了証書授与式」を挙行いたしました
令和5年3月1日(水)本校体育館において,「第74回本科卒業証書授与式および第64回専攻科修了証書授与式」を挙行いたしました。
今年度もここ数年に引き続き,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため規模を縮小しての実施となりましたが,天候に恵まれ,非常に良い環境で,卒業生を送ることができました。
今日まで生徒たちを見守り,支えてくださった皆様に,この場をお借りして御礼申し上げます。
以下,学校長式辞を紹介いたします。
ここ数日、ようやく暖かな日差しが差し込むようになりました。大雪と肌寒い強風に悩まされたこの冬もようやく終わりを迎え、本格的な春がまもなく訪れようとしています。
本日ここに、令和四年度宮城県水産高等学校第74回卒業証書授与式・第64回修了証書授与式を挙行いたしましたところ、お忙しい中、保護者の方々にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。
ただいま、呼名を受け、代表を通じ、卒業証書を授与した本科92名の卒業生の皆さん、同じく、修了証書を授与した専攻科9名の修了生の皆さん、卒業並びに修了おめでとうございます。
五月には五類相当への引き下げとなるなど、ようやく終息の兆しが見えてきた新型コロナウイルス感染症ですが、この一ヶ月で県内の一日あたりの新規感染者数は大幅に減ってはきたものの、ここ数日も300名前後で推移しているなど、未だ、後を絶たない状況であります。
本校では多くの卒業生が就職して、社会人として旅立つ大切な時期であることから、本来であれば、三年間、あるいは五年間、皆さんの教育にご協力いただいた方々をご来賓としてお招きし、また、より多くの保護者の方々にご参加いただき、在校生とともに、立派に成長した皆さんの門出を、お祝いいただきたかったのですが,このような形で卒業式を挙行させていただきますこと、何とぞご理解いただきますようお願いいたします。
卒業生、修了生の保護者の皆様、本日はおめでとうございます。
この三年間あるいは五年間、ご子息、ご息女は、就職、進学など自らの進路目標を立て、それぞれ類型を選択し、コロナ禍で制限をされた教育活動の中ではありましたが、日々の学習や実習、資格取得、進路選択などの機会を通じて自らを高めつつ、将来を見据え立派に振る舞うことができるように成長してくれました。
大人の風貌を少し覗かせてくれるようになった、今日の姿に、私ども教職員一同、大事なお子様をお預かりした、その使命を少しではありますが果たすことができたのではないかと、保護者の皆様とともに彼ら、彼女らの成長をうれしく感じているところであります。
保護者の皆様、改めまして心からお祝い申し上げます。
卒業生、修了生の皆さん、卒業・修了おめでとう。
本科を卒業する皆さんが、入学式で真新しい少し大きめな制服を身にまとい,これから迎える高校生活への期待と不安をにじませていた姿は今も記憶に残っています。
さて、皆さんにとって、本校での高校生活は如何だったでしょうか。
入学式を終え、翌日から新型コロナウイルス感染症のため2ヶ月間の臨時休業に始まるなど出端をくじかれ、楽しみであった錨章祭やマラソン大会など全校で行う行事がことごとく中止を余儀なくされた一学年時代、類型選択を終え、専門教科が増える中、中々実習を行えず自信が持てない中で将来像を模索した二学年時代。日常を取り戻し始めた中での進路決定、待ちに待った錨章祭での一般公開、全校生徒で生のアカペラを聞いた芸術鑑賞など、制限下ではあるものの、ようやく高校生活の思い出づくりができた今年度。皆さんにはコロナ禍とはいえ、満足のいく高校生活を送らせてあげることができなかったことは申し訳ない気持ちでありました。そんな中でも、部活動など生徒会活動を通じで、後輩達に何かを残そうと上級生として立派に振る舞い下級生を導く、本校の良き伝統を継承して行ってくれたことに、校長として感謝の気持ちで見守っておりました。本当にありがとう。
また、専攻科修了生の皆さんは、目標とする海技士筆記試験合格に向け、日々頑張る姿を本科生に示し続けてくれました。皆さんの努力に敬意を示すとともに資格取得に向け今後の更なる努力を期待しています。
さて、本日、本校を巣立つ卒業生・修了生の皆さんに、一言贈りたいと思います。
「多くの失敗から学び、経験し、そしてようやく一勝を挙げた。」ユニクロの創業者として知られているファーストリテイリング社長 柳井正(やないただし)氏の言葉です。
柳井氏は、他の人が山といえば、川と返すような異端児だったそうで、多くの失敗や挫折を繰り返しながら、その頃登山用品であったフリースに着目し、誰でも着られるカジュアルウエアとして定着させるなどユニクロを日本のみならず、世界の衣料メーカーにのし上げた経営者です。
『勝利しか体験していない人間は、ただ挑戦していないだけだ。危機につながるような致命的な失敗は絶対にしてはならないが、実行して失敗するのは、実行もせず、分析ばかりしてぐずぐずしている奴ほどよっぽどいい。』と語り、その後に続けた言葉が『私も多くの失敗から学び、経験し、そしてようやく一勝を挙げた。』です。
「何かをしようとすれば、失敗することもある。ましてや他人と違うことや新しいことをしようとすれば、失敗や挫折をするのは当たり前のことであって、失敗を恐れて何も挑戦しなければ成功や変化はあり得ない。失敗や挫折から学ぶことで、成功や新しい何かを掴むことができる。」ということだと思います。
今まで皆さんは、小・中・高の学校生活という多くの人が歩んできた道を進んでいくために、失敗をしないよう、先生方や保護者の方々に導かれてきたと思いますが、社会に出れば、「自らの責任のもと、自らの意思で歩んでいく」ことが必要になります。危機につながるような致命的なものではない範囲で、失敗を恐れず、様々なことにチャレンジしていってください。
本日、本校を巣立ち、就職する、あるいは、上級学校へ進む皆さんには、様々なことにチャレンジする中で、多くの失敗や挫折を通して学んだ経験をもとに、皆さんなりの「一勝」を勝ち取ってくれることを期待しています。卒業後も、皆さんが更なる成長をされることとともに、幸せな未来を迎えられることを、教職員一同、これからも期待とともに応援していきたいと思います。
卒業生、修了生の皆さんの本校からの船出が、幸多からんことを心から祈念して「式辞」といたします。「UW」
令和5年3月1日
宮城県水産高等学校長 瀧田雅樹