卒業証書授与式・修了証書授与式における「校長式辞」を紹介いたします!
去る3月1日(日)に,本校体育館を会場にして,令和元年度第71回卒業証書授与式・第61回修了証書授与式を挙行しました。
今年度は令和最初の記念すべき式典でもありましたが,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,卒業生・修了生,保護者の皆様と職員のみで開催するに至りました。
こうした中で,卒業生,修了生は,すがすがしく凜々しい姿でこの学び舎を巣立っていきました。
心からのエールを送り,皆さんの健闘を祈っています!
以下が,式典当日に,瀧田校長が送った式辞です。
…「雪の少ない令和最初の冬も,寒暖を繰り返しながら暖かな日差しが差し込む春の訪れを感じさせる時期を迎えました。
本日ここに,令和元年度宮城県水産高等学校第71回卒業証書授与式・第61回修了証書授与式を挙行いたしましたところ,多くの保護者の方々に御臨席を賜り,誠にありがとうございます。
ただいま,呼名を受け,代表を通じ、卒業証書を授与した本科97名の卒業生の皆さん,同じく,修了証書を授与した専攻科5名の修了生の皆さん,卒業並びに修了おめでとうございます。
現在,世界的に新型コロナウイルス感染症が広がりを続け,我が国においても感染拡大防止に向けた様々な対応が行われているところであります。本来であれば,三年間,あるいは五年間,皆さんの教育に御協力いただいた方々を御来賓としてお招きし,立派に成長した皆さんの姿を御覧いただき,保護者の方々とともにお祝いいただく予定でおりました。また,多くの在校生からは,今までの感謝の気持ちを込めて,校訓唱和や校歌を歌い皆さんを送り出したいと切望されましたが,こうした状況下でやむなく,このような形で卒業式を挙行させていただくこととなりました。皆さまには,何とぞ御理解いただきますようお願いいたします。
卒業生,修了生の保護者の皆様,本日はおめでとうございます。
この三年間あるいは五年間,御子息,御息女は、就職,進学など自らの進路目標を立て,日々の学習や実習,資格取得などの機会を通じて,様々な場面で立派に振る舞うことができるように成長してくれたと感じております。大人の風貌を少し覗かせてくれるようになった,今日の姿に,私ども教職員一同,大事なお子様をお預かりした,その使命を少しではありますが果たすことができたのではないかと,保護者の皆様とともに彼ら,彼女らの成長をうれしく感じているところであります。保護者の皆様,改めまして心からお祝い申し上げます。
さて,卒業生,修了生の皆さん,改めて,卒業・修了おめでとう。
平成の時代の中で,多くの卒業生を送り出した旧校舎で入学を迎え,昨年度は真新しい現在の校舎に移り,そして今,令和の時代の最初の卒業生・修了生となった皆さんにとって,本校での高校生活は如何だったでしょうか。特にこの一年は,台風19号の影響や今回の件により,行事等で制約を受けるなど,皆さんにとって逆境となることが多かったことと思います。そうした,限られた状況の中でも,先頭に立って学校行事を盛り上げる皆さんの姿を見て,校長として,感謝の気持ちとともに,うれしく感じておりました。
また,専攻科修了生の皆さんは、目標とする海技士筆記試験に全員が合格されたこと,本当にうれしく思います。皆さんの努力に敬意を表したいと思います。
さて,本日,本校を巣立つ卒業生・修了生の皆さんに,一言贈りたいと思います。
「人の世に,道は一つということはない。道は百も千も万もある。」幕末の志士,坂本龍馬のことばとされています。
社会に出ると,全てが順風満帆,うまくいくことはありません。何かで失敗したり,つまずいたりすることがあると思います。そんなとき,絶望したり,あきらめたりすることは無い,人生は何通りも生き方があるのだから。失敗や絶望は,幸せになるための一つの過程だということです。
東日本大震災やこの一年の出来事など,これまでの様々な困難を,友人や家族,先生方,支えて下さった方々とともに乗り越えて,今の皆さんがあるように,これから訪れるかもしれない困難も,いずれは皆さんの幸せの一歩となることと思います。
何よりも自分を信じ,周りの人々に感謝しつつ,それぞれの人生を歩んで行ってくれることを期待しています。
卒業生,修了生の皆さんの本校からの船出が,幸多からんことを心から祈念して,国際信号旗の「UW」を心に掲げつつ「式辞」といたします。 令和2年3月1日 宮城県水産高等学校長 瀧田雅樹