2019年度宮水blog
平成31年度入学式における「校長式辞」
本校の大漁桜も間もなく満開を迎えようとし,平成最後の四季である春の訪れを感じさせてくれる,この良き日に,PTA,後援会,同窓会をはじめ,本校の教育活動にご協力をいただいている多くの御来賓の方々のご御臨席のもと,平成31年度,宮城県水産高等学校の入学式を挙行できますことは,教職員一同,この上ない喜びであります。
ただいま入学を許可しました,海洋総合科127名,専攻科海洋技術科航海コース4名,同じく機関コース4名の新入生の皆さん,入学おめでとう。教職員及び在校生一同,皆さんの入学を心より歓迎いたします。
本科に入学される保護者の方々におかれましては,真新しい制服を身にまとった,お子様の晴れ姿を目の当たりされ,感慨もまた一入のことと存じます。改めまして心からお祝い申し上げます。おめでとうございます。
さて,本校は明治29年に,牡鹿郡簡易水産学校として設立許可をいただいき,翌30年の開設以来,宮城県水産学校など改称を経て,現在の宮城県水産高等学校となりました。開校以来,地元石巻,宮城県はもとより,日本の水産・海運産業を支える有能な人材を世に送り続けている,今年度123年目を迎える,歴史と伝統を誇る学校であります。また,平成26年度の学科改編で,「採る・運ぶ」「育てる」「加工する」といった従来の水産教育に,「食・資源・環境」を総合的に捉えるとともに「調理」を加えた,新たな水産教育を展開する,次代の水産教育を目指す学校でもあります。
昨年11月には新校舎の竣工と120年周年の記念講演を実施するなど,まさに伝統と未来を融合した,県内の水産教育の拠点校であります。
本校では,「誇りある水産・海洋のスペシャリストの育成」「人間性豊かな職業人の育成」「将来の地域産業を担う人材の育成」を教育目標とし,他校で見ることのできない様々な施設・設備を用いた,多くの実習を通して,水産・海洋の専門的な知識と技術を身に付けることができます。さらに,漁船,商船,小型船舶といった船の資格や潜水士,調理師など多くの資格取得も可能であります。新入生の皆さんは,今日から3年間,専攻科の皆さんは2年間,将来の目標を定めて,卒業後の進路実現に向け,そうした資格取得等に挑戦してくれることを期待しております。
さて,本日入学を迎えた皆さんは,この後4月1日に発表された新しい「令和」という元号とともに新たな一歩を踏み出すわけですが,皆さんはどんな高校生活を思い描いているのでしょうか。
今日からの高校生活では,将来の自分を見据えるとともに,新たな元号となる節目の年の入学生であることも意識して過ごしていってくれることを期待しています。
「万葉集」を出典とする,新元号である「令和」ですが,「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ。梅の花のように,日本人が明日への希望を花咲かせる国でありますように」という願いが込められたものであるとされております。
この「令和」ということを高校生活に置き換えて考えてみると,前段は,環境の違う中で育ってきた同級生や先輩方と,実習などの授業や部活動,学校行事などを共に行う中で,理解し合い,認め合い,新しい宮城県水産高校の文化,歴史を築き上げていこうということだと思います。また,後段では、梅の花が美しく咲くためには厳しい冬の寒さが必要だといわれていますが,皆さんもこれからの水産高校での生活において,失敗や困難を恐れることなく,高い目標を定めて努力を続けることで,将来が花開くよう成長していってほしいということではないでしょうか。節目であるこの年に入学される皆さんには,そのような思いで高校生活を送っていってくれることを大いに期待しております。
保護者のみなさま,本日よりお子様を,本校でお預かりすることとなりました。この宮城県水産高等学校で大きく成長し,卒業,修了時にはそれぞれの希望の進路へと進んでいただけるよう、教職員一同最善を尽くす所存でございます。とはいえ,高校時代は,多感な時期でもございます。また,高校生を取り巻く社会の変化の激しい時代となっており,学校だけでは対応できない部分が多々あるのも現実であります。保護者のみなさまにおかれましても,学校との連携を密にお願いし,あたたかく,時には毅然とした態度で見守っていただき,ともにお子様の成長をサポートしていただきますようお願いいたします。本校へのご協力とご理解を賜りますよう,お願い申し上げます。
結びに,御多用の中,御臨席を賜りました御来賓の方々,並びに保護者のみなさまに重ねて感謝を申し上げ,式辞といたします。
平成31年4月8日 宮城県水産高等学校 校長 瀧田雅樹